映像化にあたり、大きな話題を呼んだのがWOWOWが手掛けた連続ドラマW『片想い』だ。主演を務めた中谷美紀は、性同一性障害を抱える主人公・美月役を演じるにあたり、髪を短く切り落とし、徹底的な役作りで男らしさと切なさを体現した。
原作小説とドラマ版の最大の違いといえば、キャラクターの視点と心理描写の構成にある。小説では哲朗の視点を通じて美月の秘密が紐解かれていくのに対し、ドラマでは映像ならではの立体的な視点が採用され、テレビドラマ制作業界からも「映像化困難と言われた原作の見事な昇華」と絶賛された。現在もWOWOWオンデマンドで配信されており、映像表現だからこそ迫る緊迫感を体感できる。