青木達之の急逝後、インストゥルメンタルバンドとしてのアイデンティティを再定義する過程で生まれたのが、名だたるボーカリストを招聘する「歌モノシリーズ」でした。「自分たちの楽曲に、リスペクトするアーティストの声を乗せる」という大胆な試みは、バンドの新たな黄金期を切り拓くことになります。
2001年から2002年にかけて発表された「歌モノ3部作」は、日本のロック史に残る金字塔となりました。
- 「めくれたオレンジ」 feat. 田島貴男(ORIGINAL LOVE):大人の色気と哀愁漂うスカビートが融合し、スマッシュヒットを記録。
- 「カナリヤ鳴く空」 feat. チバユウスケ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT):ガレージロックとスカの獰猛な融合。鋭利なリリックとシャウトが炸裂。
- 「美しく燃える森」 feat. 奥田民生:スカパラ最大のヒットシングル。哀切を帯びたメロディと奥田の脱力しつつもエモーショナルな歌声が奇跡的な調和を生み出す。
その後も、椎名林檎(「真夜中は純潔」)、ハナレグミ(「追憶のライラック」)、甲本ヒロト(「星降る夜に」)、Ken Yokoyama(「道なき道、反骨の。」)、宮本浩次(「明日以外すべて燃やせ」)、桜井和寿(「リボン」)、幾田りら(「Free Free Free」)、菅田将暉(「散りゆくとき」)など、世代やジャンルを問わず錚々たるアーティストとの共演を実現させてきました。
谷中敦が紡ぎ出す日本語の美しいリリックと、ブラスセクションの爆発的なダイナミズムが融合するゲストボーカル楽曲は、「インストバンドがボーカルを迎える」という従来の枠組みを超え、双方のファンを巻き込む強力なカルチャーを生み出しています。