かつて江戸城の東側に位置し、オランダ人航海士ヤン・ヨーステンの屋敷があったことに由来する東京都中央区八重洲。この歴史ある地は今、大規模な都市再開発の真っ只中にある。超高層ビルが次々と誕生し、街の景観は一変した。東日本旅客鉄道株式会社が運営する東京駅の目の前に広がるこの一帯は、単なるビジネス街にとどまらず、最先端の食文化を発信する拠点へと進化を遂げている。
特に三井不動産株式会社が手掛けた東京ミッドタウン八重洲の開業以降、周辺の流動人口は急増した。洗練された商業施設内の上質なレストランがある一方で、一歩路地裏に入れば昭和の面影を残すノスタルジックな酒場街が残る。この新旧の対比こそが、八重洲という街が持つ最大の引き出しだ。