一律に全国すべての会場が無観客になったわけではありませんでした。感染状況や各自治体の判断により、会場ごとに明暗が分かれる複雑な運用体制が敷かれました。
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の競技会場はすべて例外なく無観客となりました。また、当初は有観客を予定していた北海道(札幌ドーム、マラソン・競歩)や福島県(あづま球場)も、直前で感染警戒レベルを引き上げ、無観客開催への変更を余儀なくされました。
一方で、独自の感染対策を講じて有観客での開催を維持した地域も存在します。宮城スタジアム(宮城県)でのサッカー競技や、富士スピードウェイおよび伊豆ベロドローム(静岡県)での自転車競技では、上限人数を制限した上で観客の入場が認められました。茨城県(茨城カシマスタジアム)では一般客を排除したものの、学校連携観戦プログラムの児童・生徒のみを限定的に受け入れる措置が取られました。
続いて開催された東京パラリンピックにおいても、原則無観客の方針が踏襲されました。ただし、共生社会の理念を次世代へ伝える教育的意義を重視し、保護者や自治体の同意を得た学校単位の観戦プログラムが一部会場で実施されるなど、感染対策と教育的配慮の狭間でギリギリの調整が続けられました。