公共空間から一掃されたサニスタンドだが、2026年の今、実物を見ることはできるのだろうか。結論から言えば、一般の公共トイレとして稼働している場所は国内にはほぼ存在しない。
ただし、産業遺産・歴史的資料として大切に保管されている場所がある。TOTOの本社敷地内にある「TOTOミュージアム」(福岡県北九州市)では、日本のトイレ文化の変遷を物語る貴重な実機が展示されており、当時の形状や開発意図を間近で見学可能だ。
かつて全国のドライブインや旧型施設にわずかに残されていた個体も、老朽化やリニューアルに伴い姿を消した。昭和の近代化期における「幻のイノベーション」として、今やマニアや建築・デザイン関係者の間で語り継がれる伝説の存在となっている。