「東京味噌ラーメンランキングの頂点はどこなのか」という問いに対し、ラーメン評論家や熱心なフリークが真っ先に挙げるのが、いわゆる「純すみ系」と呼ばれる札幌の名門「すみれ」出身の職人たちが営む名店です。なかでも双璧をなす存在として君臨するのが、江戸川区船堀の大島と、文京区江戸川橋の三ん寅です。
店主の大島剛史氏が「すみれ」で約12年もの修業を重ねて2013年に開業した大島船堀味噌ラーメンは、業界最高峰のアワードで味噌部門1位を幾度も獲得し、もはや殿堂入りの領域に達しています。中華鍋で味噌とニンニク、生姜を焼き付けるように炒め、豚骨ベースの濃厚スープと合わせる手法はまさに王道です。丼の表面を覆う分厚いラードの層が湯気を一切逃さず、最後の一滴まで熱々の状態で提供されます。麺を持ち上げた瞬間に立ち上る芳醇な香ばしさと、ニンニクのパンチが効いた重厚なコクは、遠方から足を運ぶファンを唸らせ続けています。
一方、2019年のオープン直後から瞬く間に全国区の人気店へと駆け上がったのが三ん寅江戸川橋評判の高さです。店主の菅原亮平氏は「すみれ」の元本店店長を務めた実力派であり、その一杯は純すみ系の伝統を受け継ぎつつも、東京の洗練された味覚に寄り添う絶妙なバランスを誇ります。生姜の清涼感が濃厚な味噌の輪郭を鮮やかに引き締め、黄色い特注中太縮れ麺がスープを余すところなく口元へ運びます。現場の行列は平日の昼夜を問わず途切れることがなく、都内トップクラスの熱狂を生み出しています。
この二大巨頭に加え、東京発祥の独自ジャンルを確立したのが、中央区京橋に本店を構えるどみそ京橋東京スタイルです。札幌味噌とは一線を画し、赤味噌を中心に5種類をブレンドした特製味噌ダレに、動物系と魚介系のダブルスープを合わせ、背脂を散らす独自の手法を確立しました。炒め野菜ではなくサッとボイルしたモヤシとコーンを乗せ、平打ちの太縮れ麺を合わせる構成は、まさに「東京スタイル」と呼ぶにふさわしい独創性を放っています。
さらに、濃厚豚骨味噌というジャンルで絶大な存在感を示すのが、中野区野方に本店を置く麺処花道庵野方です。白味噌を主体にしたタレに、ゲンコツや豚頭を極限まで煮出したドロッと濃密な動物系スープをブレンド。中華鍋でラードと高火力で一気に炒め上げたシャキシャキのモヤシが山のように盛られ、噛みごたえのある極太ストレート麺がどっしりとスープを受け止めます。これらの名店群が現在の東京の味噌シーンにおける「最高峰の基準」を形作っています。