言葉遊びとして定着した「東京特許許可局」は、昭和から平成、令和へと時代が下るにつれて更なる高難度化を遂げました。その最高峰に君臨するのが、24文字に及ぶ派生フレーズ「東京特許許可局長今日急遽休暇許可却下」(とうきょうとっきょきょかきょくちょう きょう きゅうきょ きゅうか きょか きゃっか)です。
単なる無意味な文字列ではなく、文章として筋の通った定番の早口言葉の意味を備えている点がこのフレーズの秀逸なところです。内容を現代語で読み解くと、「東京特許許可局の局長が、本日いきなり申請された職員の有給休暇の許可を取り下げ、申請を却下した」という、お役所内部の切羽詰まった労使ドラマを描いた構造になっています。
音声学的な難度は極めて凶悪です。「きょ」「きょう」「きゅう」「きゃ」という4系統の拗音(開拗音)が息つく間もなく連射され、舌の奥(舌背)を軟口蓋に密着させて音を破裂させる動作を0.1秒単位で繰り返さなければなりません。まさに東京特許許可局の許可却下にまつわる一連の言い回しは、プロの声優やアナウンサーにとっても一瞬の油断が命取りになる屈指の難所です。