回数券が消滅した現在、金券ショップで「東海道新幹線を安く乗るための唯一の手段」として売られているのが「JR東海株主優待券」です。この優待券を利用すれば、1枚につき運賃および料金が1割引、同時に2枚まで使用可能なため最大2割引で切符を購入できます。
一見すると「のぞみ指定席が2割引になるならお得ではないか」と思いがちですが、ここには見落としがちなコスト計算の罠が存在します。金券ショップにおけるJR東海株主優待券の販売相場は、1枚あたり約800円〜1,100円前後で推移しています。2割引を適用するには2枚購入する必要があるため、優待券の調達費用だけで約1,600円〜2,200円の追加出費が発生します。
東京〜新大阪間の「のぞみ」通常期指定席(正規片道:14,920円)に優待券2枚を適用した場合の試算は以下の通りです。
正規料金14,920円の2割引は11,930円(10円未満切り捨て計算等)。ここに株主優待券2枚の購入費用(相場中央値として計2,000円)を加算すると、実質負担額は13,930円前後となります。正規料金との差額はわずか1,000円程度に過ぎません。
さらに見過ごせないのが、購入の手間とタイムロスです。株主優待券を使った割引切符の発券は、JR東海の「みどりの窓口」や専用の指定席券売機に現物の優待券を持ち込んで手続きを行う必要があります。行列に並ぶ時間や手間、万が一の払い戻し時の制約を考慮すると、数百円から千円程度の節約のために割くリソースとしては割に合わないケースが大半です。