東海林さだおの代名詞といえば、1987年に連載がスタートした『丸かじりシリーズ』です。高級店や贅沢な美食ではなく、たくあん、立ち食いそば、コロッケ、ビール、目玉焼き、おでんといった「ありふれた大衆食」をとことん掘り下げ、日本中を爆笑と共感の渦に巻き込んできました。
「ウインナーソーセージはなぜ赤いのか」「トンカツの端っこはいつ食べるべきか」など、誰もが薄々感じていながら言葉にできなかった食事中の心理描写はまさに職人芸です。食レポブームが定着した現代においても、その鋭い人間観察と食べ歩きグルメの解像度は群を抜いており、後進のフードライターや食漫画家たちに決定的な影響を与え続けています。