自身の制作拠点である「三井ブリックスタジオ」には、色や形ごとに分類された途方もない数のブロックが保管されている。彼の制作プロセスは、緻密な計算から始まる。頭の中にあるイメージをいきなり形にするのではなく、立体造形の物理的な強度や重力を考慮した専用のCADソフトウェアやオリジナル設計図を自ら構築する。
凄腕と呼ばれる理由は、その圧倒的な「密度のコントロール」にある。内部の骨組みには堅牢な技術を施しつつ、表面の質感には微細なパーツを組み合わせることで、有機的な柔らかさや滑らかさを生み出す。角ばったブロックが、まるで生きた生命体のように滑らかな曲線を帯びて見えてくるから不思議だ。この構造計算と芸術的センスの超絶的なバランスこそが、スタジオから生み出される作品の真骨頂と言える。