東京大学医学部には、大きく分けて2つの学科が設置されています。1つは医師を養成する6年制の「医学科」、もう1つは健康科学、医療統計、看護学、公衆衛生などを総合的に研究する4年制の「健康総合科学科」(旧・健康科学・看護学科)です。藤本アナが学び、卒業したのは後者の健康総合科学科です。
両者の制度上の相違点と進路の実態を整理すると、世間の誤解がいかに構造的な思い込みに基づいているかが明白になります。
東京大学の学部案内およびシラバス資料によると、健康総合科学科は「人々の健康を守り、生活の質を高めるための社会システムや行動科学を研究する」学問です。藤本アナは在学中、公衆衛生や予防医学、環境保健といったマクロな視点での健康科学を学んでいました。
つまり、「医師国家試験を受験したのか」「医師免許を持っているのか」という問いに対する正確な回答は、「そもそも医師国家試験の受験資格がない学科を卒業しているため、受験もしておらず免許も保有していない」となります。この事実を知るだけでも、彼女に向けられた偏見の多くが氷解するはずです。