学校教育の枠組みを根底から揺さぶる名物授業が、明治の農学者オスカル・ケルネルに由来する「ケルネル田圃(水田学習)」だ。生徒たちは中学入学直後から田植えを行い、泥まみれになって稲を育て、収穫と脱穀を自らの手でやり遂げる。最先端の学術を志す秀才たちが、泥に足を取られながら自然の摂理と一次産業の重みを体感する。この泥臭い原体験が、頭でっかちになりがちなエリート意識を解きほぐし、多角的な視点を養う土台となる。
文部科学省から指定を受けるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての活動も、他の追随を許さない。教科書をなぞるだけの理科実験ではなく、大学院レベルの高度な研究テーマに高校生自らが挑戦する。答えのない問いに挑み、仮説検証を繰り返すプロセスは、研究者としての基礎体力を極限まで引き上げる。
教員陣の授業スタイルも独特だ。既成の正解を教え込むのではなく、あえて生徒が悩むような未解決の難問を投げかけ、教室全体を巻き込んだ議論へと発展させる。知的な揺さぶりをかけ続けるこの独自カリキュラムが、論理的思考力と創造的なひらめきを同時に研ぎ澄ましていく。