園内の中核をなす「大安場古墳群」第1号墳は、全長約83メートルを誇る東北最大級の前方後方墳だ。多くの人が教科書で見慣れた鍵穴型の「前方後円墳」ではなく、方形を二つ繋げたような直線的なシルエットを持つ。
文化庁が国指定史跡に指定した理由も、その規格外の規模と保存状態の良さにある。主軸を東西に向け、阿武隈川流域を一望できる高台に鎮座する墳丘。ここに立つと、当時の被葬者がどれほど広大な領域を掌握していたかが肌感覚で伝わってくる。
周囲には4基の円墳も確認されており、一過性の権力ではなく、数世代にわたって地域を統治した首長層の系譜がくっきりと浮かび上がる。