数字に色が見える共感覚の正体|脳の仕組みと天才説の真相を徹底解明に関する話題のニュースをまとめてご紹介します。最新情報を求める方は必見です。

なぜ本来は別個の知覚であるはずの「形(数字)」と「色」が融合してしまうのでしょうか。その鍵は、大脳皮質の構造にあります。

共感覚脳の仕組みを解明した神経科学のfMRI(機能的磁気共鳴画像法)研究によると、脳内で文字や数字の形態認識を担う「紡錘状回(ぼうすいじょうかい)」と、色彩知覚を司る「V4野」は、後頭葉から側頭葉にかけて物理的に隣接しています。通常の脳ではこれらの領域間の信号は独立して処理されますが、共感覚者の脳内では神経線維の結合が密であり、局所的なクロストーク(情報伝達の混線)が生じていることが確認されています。

では、なぜそのような神経配線が形成されるのでしょうか。共感覚原因としては、発達神経学における「シナプス刈り込み(プルーニング)の未完了仮説」が有力視されています。

人間の赤ちゃんは、生後間もない時期にはすべての感覚領域が未分化で相互に結合した状態で生まれてきます。通常は成長に伴って不要な神経結合が刈り込まれ、視覚、聴覚、触覚などが個別の回路へと独立していきます。しかし共感覚者の場合、遺伝的なプログラミングによって特定の神経結合が刈り込まれずにそのまま維持されるため、共感覚生まれつきの特性として生涯残り続けると考えられています。

なお、幼少期に使っていた「数字ブロック」や「知育玩具」の配色がそのまま数字色イメージに固定化されたのではないかという環境決定論も長年議論されてきました。しかし、同じ玩具で育った兄弟でも一方にしか現れない事例や、玩具の配色とは全く異なる配色を一貫して主張する例が大半であり、後天的な刷り込みだけでは説明がつきません。脳の素因という先天的要素を土台に、文字の習得時期の体験が一部影響を与える複合的なメカニズムが実態に近いと報告されています。