主人公ナジーブ役を演じたのは、南インド映画界を代表するトップスター、プリトヴィラージ・スクマラン(Prithviraj Sukumaran)だ。彼がこの役作りに注いだ犠牲とエネルギーは、映画史に刻まれるレベルに達している。
豊かで健康的な青年から、砂漠で飢えと渇きに骨と皮ばかりになった奴隷労働者への変貌。スクマランは専門医の厳格な指導のもと、徹底した絶食に近い食事制限を断行し、実に30キロ以上もの体重を削ぎ落とした。痩せ細った肋骨を浮き立たせ、砂塵にまみれながら四つん這いでヤギの群れを追う彼の姿に、かつてのスター俳優の面影は微塵もない。
「演技を超えて、自分自身が砂漠の一部になる感覚だった」とスクマランは述懐する。メガホンを取った巨匠ブレッシー(Blessy)監督の妥協なきディレクションと俳優の魂のぶつかり合いが、観客の肺腑を突く強烈なエモーションを生み出した。