看護記録や経過記録(SOAPのO項目:客観的データ)では、単に鼻汁が出ている事実だけでなく、「性状」「量」「色」「持続性」「左右差」「臭気」を具体的に記録します。鼻汁の性状は疾患を推測する最大の判断材料です。
臨床で頻出する4大性状とカルテ表現は以下の通りです。
- 水様性鼻汁 / 漿液性鼻汁(しょうえきせいびじゅう)
無色透明でサラサラとした水のような性状。アレルギー性鼻炎(花粉症やハウスダスト)や風邪の初期症状で典型的にみられます。頭部外傷後などに生じる場合は「脳脊髄液漏(髄液鼻漏)」の鑑別も考慮されます。 - 粘液性鼻汁(ねんえきせいびじゅう)
透明から白濁色で、粘り気(粘稠度)がある性状。慢性鼻炎や急性副鼻腔炎の初期・回復期に多くみられます。 - 膿性鼻汁(のうせいびじゅう)
黄色から黄緑色を呈し、強い粘稠度を持つドロドロとした性状。白血球の死骸や細菌が含まれており、細菌感染を伴う急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の代表的所見です。粘液性と膿性が混ざった状態は「粘膿性鼻汁(ねんのうせいびじゅう)」と表現します。 - 血性鼻汁(けっせいびじゅう)
血液が混入した赤色や茶褐色の性状。鼻粘膜の機械的損傷(鼻ほじりや乾燥)、強い鼻かみによる微小血管の破綻のほか、鼻副鼻腔の腫瘍性病変(乳頭腫や悪性腫瘍)の鑑別を要します。
看護記録の記載例としては、「両側より中等量の水様性鼻汁あり」「右側優位に多量の粘膿性鼻汁(黄緑色・悪臭なし)を認める」といったように、定量的かつ具体的に言語化します。