小学生の防犯対策に関して、世間にはいくつかの致命的な誤解が存在します。その最たるものが「GPS端末を持たせていれば居場所は必ず特定できる」という過信です。
現実には、地下街や高層ビル群、あるいは山間部の谷間に入り込むとGPSの測位精度は大幅に低下します。さらに、バッテリー切れや端末の意図的な電源オフ、水没などによって通信が途絶するケースは少なくありません。また、防犯ブザーについても、とっさの恐怖や混乱によって児童自身が紐を引けない状況が多発しているのが現場の実態です。
「日中の明るい時間帯や、通い慣れた通学路であれば安全である」という認識も危険な盲点です。警察庁の統計によると、児童を狙った声かけや連れ去り未遂事案の多くは、午後3時から午後5時の下校時間帯、かつ自宅から数百メートル圏内の「見慣れた風景」の中で発生しています。死角となる路地や自動販売機の陰など、日常に潜む空白エリアへの警戒を怠ってはなりません。