過去のアスペン事件とは対照的に、近年発生したもう一つの大きな事件において、デヴィ夫人は完全なる「被害者」の立場でした。この事件こそが、現代のネット検索において逮捕キーワードが再燃した決定的な引き金です。
事件が表面化したのは2017年のことでした。夫人の個人事務所「オフィス・デヴィ・スカルノ」で経理全般を一手に任されていた元公認会計士の男性職員が、会社の銀行口座から複数回にわたり不正に資金を引き出し、私的に着服していたことが発覚しました。警視庁による捜査の結果、被害総額は判明しているだけでも約6,000万円、関連する使途不明金を含めると数億円規模に上ると報じられました。
報道各社が集まった記者会見において、夫人は「身内のように信用し、すべてを任せていた人物に裏切られた。怒りというよりは情けなく、深い悲しみを覚える」と沈痛な面持ちで語り、公の場で見せた珍しい落胆の表情は大きな反響を呼びました。裁判では元職員に対して懲役刑の実刑判決が言い渡されましたが、搾取された大半の資金が回収不能となった現実は、独立採算でタレント活動を支える個人事務所にとって計り知れない打撃となりました。