木の実ナナの恋愛遍歴を語る上で、避けて通れないのが名優・細川俊之(2011年逝去)との関係です。二人は作・構成の福田陽一郎が手がけたパルコ劇場(旧・西武劇場)の看板公演『ショーガール』で、1974年の初演から1988年のファイナルまで15年間・通算657ステージにわたり共演し続けました。
舞台上での二人は、大人の男女の機微、愛と別れ、洗練された掛け合いを完璧に表現しており、当時の観客やメディアの間では「私生活でも結ばれているのではないか」「事実上の夫婦関係ではないか」と絶えず囁かれていました。当時のインタビュー手記や関係者の証言によると、二人の間には以下のような確固たる関係性が築かれていました。
「舞台袖でお互いの息遣いひとつで体調や感情の変化が分かった」と語られるほど阿吽の呼吸を誇った二人ですが、私生活での交際関係は完全に否定されています。細川俊之は1967年に女優の小川真由美と結婚(1973年離婚)、後に一般女性と再婚しており、木の実ナナとは「男女を超えた生涯の戦友・ビジネスパートナー」という境界線を徹底して維持していました。
また、若き日の木の実ナナはジャズ喫茶時代に出会った外国人ミュージシャンや一般男性との交際が噂されたこともありましたが、いずれも結婚には至りませんでした。「舞台の上で愛を演じ、観客に夢を届けること」に人生の全エネルギーを傾けていたことが、歴代の熱愛がゴールインに向かわなかった本質的な要因といえます。