友情・努力・勝利という王道が支配していた少年誌の文脈において、『DEATH NOTE』が提示した高度なサイコスリラーは異端中の異端だった。大場つぐみによる緻密な心理戦のプロットと、小畑健の美麗かつ毒のあるビジュアル。それをアニメーションとして具現化するにあたり、宮野真守の演技は「悪役を主役に据える」ことの表現的ハードルを一気に押し上げた。
善悪の境界線を曖昧にし、観る者を引きずり込むダーク・ファンタジーとしての完成度。日本テレビ放送網での深夜放送という実験的な枠組みも手伝い、宮野の演じたキラは、その後の声優業界におけるキャラクター造形のスタンダードを大きく塗り替える契機となったのである。