近年の酒場シーンを観察すると、従来の「大勢で騒ぐ飲み会」から「一人で訪れ、その場でゆるくつながる」というスタイルへのシフトが顕著だ。一人飲み専門の居酒屋や、カウンター中心の小料理屋は連日満席が続く。ここでは店主が絶妙な「仲介役」を務める。
「お客様同士の距離が近すぎても遠すぎてもいけない。会話を無理につなげるのではなく、お互いが心地よく存在できる空間を作ることが大切です」。新宿ゴールデン街で長年店を構える店主は語る。深入りはしないが、そこに誰かがいる安心感。このほどよい距離感こそが、SNSの密すぎる人間関係に疲れた人々にとっての救いとなっているのだ。