一般的に「地震雲」と呼ばれるものは、大地震の発生数日前から直前にかけて現れるとされる特異な形状の雲を指します。空を二分するような直線状の雲、渦を巻きながら垂直に立ち上る雲、中心から放射状に広がる筋状の雲など、そのバリエーションは多岐にわたります。
こうした現象は、科学的な観測機器を用いずに自然界の変化や生物の異変から大地震の前触れを察知しようとする宏観異常現象(こうかんいじょうげんしょう)の一種として扱われてきました。井戸水の水位変化や動物の異常行動、発光現象などとともに、古くから民間伝承や体験談として語り継がれてきた歴史があります。
特に過去の大震災の直後に「そういえば数日前に不気味な雲を見た」という目撃証言が後から結びつけられるケースが多く、人間の心理にある後知恵バイアス(結果を知った後に、それが予測可能であったかのように思い込む心理傾向)が噂を補強し続けてきた背景があります。