巨匠・福本伸行の名作『賭博破戒録カイジ』において、主人公を圧倒的な狡猾さで苦しめた悪役・大槻。その彼を主役に据えた『1日外出録ハンチョウ』は、登場初期の衝撃から一転、漫画史に残るスピンオフコメディとして不動の地位を確立した。本編で見せた冷酷非道な班長としての顔と、地上で無邪気にグルメを楽しむオジサンとしての顔。この圧倒的なギャップが、読者の爆笑と共感を誘う。
「チンチロ」で巻き上げたペリカを資金にして繰り出される外出の旅は、単なるパロディの域を完全に脱している。本編の重苦しい世界観を前提としつつも、それを逆手に取ったシュールな笑いの連続は、既存のファンのみならず、カイジ本編を詳しく知らない新規読者層をも虜にし続けている。