タブレット端末を器用に操る小学4年生の隣で、地域の高齢者が目を細める。彼らが取り組んでいるのは、地域の歴史をデジタル絵本にする作業だ。かつてこの地で盛んだった産業や、昔の街並みの様子を、お年寄りから聞き書きしてデータにまとめていく。最先端のICT教育と、泥臭いまでの対話。この二つが奇跡的なバランスで同居している。
「最初は機械の操作に戸惑っていた地域の方々も、今では子どもたちに教わることを楽しみにしています」と、プロジェクトを担当する教諭は語る。単なる「教える・教えられる」の関係ではない。互いがリスペクトし合う関係性が、そこには確かにある。