天文学において、地球と太陽の距離は太陽系のスケールを把握するための基軸と位置づけられています。一般的には「約1億5000万キロメートル」と丸めて表現されますが、国際天文学連合(IAU)が正式に定めた精緻な定義では1天文単位(1au)=1億4959万7870.7キロメートル(149,597,870,700メートル)です。
この距離がいかに桁外れであるかは、宇宙で最も速い「光」を基準に考えると鮮明に理解できます。真空中の光は1秒間に約30万キロメートル(地球を約7周半する速度)で進みますが、その光であっても太陽光の到達時間は約8分20秒(約500秒)を要します。
つまり、私たちが夕暮れ時に眺めている夕日や、朝に浴びる日差しは、すべて「約8分20秒前の太陽の姿」です。もし太陽の表面で大規模な太陽フレア(爆発現象)が発生したとしても、地球上で観測機器がその閃光を捉えるのは8分20秒後となります。宇宙空間において「距離」を見ることは、そのまま「時間を遡って過去を見る」ことと同義であることを、この数値は物語っています。