時計の針を2001年6月に戻す。当時60歳だった徳光和夫を襲ったのは、前触れのない激痛だった。診断名は急性心筋梗塞。心臓の冠動脈が詰まり、一刻を争う極めて危険な状態だった。
前夜から胸の圧迫感を覚えていたものの、多忙を極める日常のなかで疲労のせいだと片付けようとしていたという。しかし、翌朝の異変は決定的だった。病院へ緊急搬送され、そのまま緊急のカテーテル手術(ステント留置術)が行われた。処置があと数十分遅れていれば命はなかったと、当時の主治医も振り返っている。
原因は明白だった。1日にタバコを3〜4箱(60〜80本以上)吸い、睡眠時間はわずか数時間。過密な収録スケジュールとプレッシャーのなかで、血管は限界まで悲鳴を上げていたのだ。