2026年初頭、関係者への独占取材によって入手した現地調査資料は、我々の想像を遥かに超える事実を物語っていた。江戸時代初期、徳川家康が指示した天下普請において、各地の幕臣に課された最大の難工事が巨石の採掘と海上輸送だったのだ。
伊豆石の運搬過程を記録した古文書を解読すると、1個あたり数トンに達する大石を小舟に乗せ、荒波の相模湾を越えて江戸へと運んだ執念が浮かび上がる。過酷を極めた輸送路。海に沈んだ石は「沈み石」と呼ばれ、今も海底に眠る。歴史の裏側に埋もれていた現場の熱量が、最新の地質探査データを経て鮮明に蘇ってきた。