寿司の命はシャリにある。ネタの鮮度がいかに優れていても、土台となる酢飯が崩れていては極上の味わいは生まれない。家庭で名店の味を再現する鍵は、米3合(精米前約450g、炊き上がり約990g〜1kg)に対して投入する合わせ酢 (すし酢)の精密なバランスにある。
失敗知らずのスタンダードな黄金比率は次の通りだ。
・米酢(または穀物酢):大さじ4〜5(60〜75ml)
・砂糖:大さじ2.5〜3(25〜30g)
・塩:小さじ1.5(約8〜9g)
・炊飯用だし昆布:5cm角1枚
甘みをやや抑えてキリッとした江戸前の輪郭を出したい場合は砂糖を大さじ2に減らし、ちらし寿司や関西風のまろやかな甘口に寄せたい場合は砂糖を大さじ3.5まで増やす。調味料は米を炊いている間にボウルで完全に溶かし合わせておくこと。酢に塩と砂糖がしっかり溶け込んでいないと、米粒ごとの味のムラにつながる。直火で加熱して溶かす手法もあるが、沸騰させると酢酸の芳醇な風味が揮発してしまうため、常温でしっかり混ぜるか、電子レンジで十数秒だけ人肌程度に温めて溶かすのが職人の知恵だ。