倒れている人を見たらどうする?命を救う救護手順と初動対応の完全ガイド

倒れている人を見たらどうする?命を救う救護手順と初動対応の完全ガイド

倒れている人を見たらどうする?命を救う救護手順と初動対応の完全ガイドについての最新情報をお届けします。

救護をためらう大きな要因として、「助けようとして骨折させたら訴えられないか」「女性の服を脱がせてAEDを貼ったらセクハラと騒がれないか」「見捨てて通り過ぎたら罪に問われるのか」という法的リスクへの不安が根深く存在します。これらネット上で囁かれる懸念について、日本の現行法制度に照らして整理します。

一般の通行人が倒れている人を救護せずに立ち去った場合、刑法上の保護責任者遺棄罪(刑法218条)などに問われることは原則としてありません。親族、引率者、事故を起こした当事者などの「法的な保護義務」を持つ立場でない限り、倒れている人を助けない罪は日本の刑事法制上成立しません。ただし、これは「見て見ぬふりをしても法的には処罰されない」という消極的な側面に過ぎません。

重要なのは、助けようとした側の法的保護です。欧米で広く整備されている「善きサマリア人の法(善意で救護活動を行った者を、結果として悪化・死亡させた場合でも免責する法原則)」と同様の保護が、日本でも民法および刑法によって担保されています。

民法第698条の「緊急事務管理」により、悪意や重大な過失がない限り、救助行為によって生じた損害(骨折や衣服の破損など)について損害賠償責任を負うことはありません。胸骨圧迫によって肋骨が軋んだり骨折したりするのは医療従事者であっても日常的に起こり得る生理現象であり、重過失とはみなされません。刑法第37条の「緊急避難」も適用されるため、刑事上の傷害罪や器物損壊罪に問われることも皆無です。

また、女性に対するAED装着時の不安に対しても、一般財団法人日本救急医療財団などの公的機関は「電極パッドを肌に直接密着させることが最優先であり、救命のための露出は法的・倫理的に正当な行為」と明言しています。パッドを貼った後に上から衣服やタオルを被せてプライバシーに配慮すれば十分であり、躊躇して命を落とすことこそが最大の損失です。

阿部 裕樹
Author

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。