身体の仕組みを理解する上で、まず正しく把握しておきたいのが「胆汁がどこで作られるか」という点です。名称に「胆」の字が含まれるため胆のうで作られていると誤解されがちですが、胆汁を生成する工場は「肝臓」です。
成人において、肝臓の肝細胞からは1日あたり約500〜800ml(大型ペットボトルおよそ1本分)もの胆汁が絶え間なく分泌されています。この肝臓における胆汁分泌は24時間休むことなく行われており、作られたばかりの胆汁は肝内胆管から総肝管を通り、一時保管場所である「胆のう」へと送られます。
ここで重要なのが胆のうの役割です。胆のうは単なる袋ではなく、送られてきた胆汁から水分や無機塩類を吸収し、およそ5倍から10倍に濃縮して貯蔵する高機能タンクです。私たちが食事を摂り、胃から十二指腸へ食べ物が送り込まれると、十二指腸粘膜からコレシストキニンと呼ばれる消化管ホルモンが分泌されます。この刺激を受けて胆のうが一気に収縮し、濃縮された胆汁が総胆管を通って十二指腸乳頭部(ファーター乳頭)から勢いよく十二指腸内へ射出される仕組みになっています。