単価契約は、公的機関による公共調達と民間取引で適用される法規範が大きく異なります。それぞれの現場において遵守すべき法律とルールを押さえておくことが欠かせません。
公共工事・公的調達における「会計法」と積算基準
国や地方自治体が行う発注において、単価契約は厳密な法規のもとで運用されています。国においては会計法第29条の6、地方自治体においては地方自治法施行令第167条の17などが根拠条文となります。年間を通じて定常的に発生する道路の緊急維持修繕工事、除雪作業、庁舎の印刷物発注などで採用されます。
公共工事の単価契約では、官公庁側が設計図書に基づき「予定価格」を適正に積算・算定します。入札参加者は各工種・資材ごとの単価を提示し、落札者が決定されます。近年は資材価格や労務単価の急激な変動に対応するため、国土交通省の「インフレスライド条項」や「単品スライド条項」に準じた単価見直し規定が盛り込まれる例が標準化しています。
民間業務委託における下請法・フリーランス保護新法の規制
民間IT企業やコンテンツ制作業界の業務委託(準委任・請負)における単価契約では、下請法(下請代金支払遅延等防止法)およびフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス保護法)への抵触に細心の注意を払わなければなりません。
例えば、基本契約書で単価を取り決めていても、個別の業務が発生した際に「発注内容」「納品期日」「予定数量」「下請代金の額」を記載した書面(3条書面)を直ちに交付しなければ法違反となります。「あとで数量が確定してからまとめて発注書を発行する」という現場の慣習は、公正取引委員会や中小企業庁の立ち入り検査で是正勧告の対象となる重大なリスクです。