麻原彰晃(松本智津夫)元死刑囚の影響力を排除し、麻原信仰からの脱却を掲げて2007年に設立された「ひかりの輪」。しかし、公安調査庁による観察処分の対象であり続けた歴史が示す通り、社会からの不信感と恐怖心が簡単に消え去ることはなかった。元幹部が主導する団体に対して世間が注ぐ視線は冷ややかであり、「単なる偽装脱退ではないか」という疑念は長年にわたってつきまとった。
それでも彼は、教団時代の教義や麻原の個人崇拝を公然と批判し、仏教や西洋哲学の知見を取り入れた独自の「聖地巡礼」や思想セミナーを展開してきた。被害者賠償への取り組みや、過去の犯罪行為に対する反省の弁を述べる姿勢を崩していないものの、社会的な贖罪が完了したとみなされる日は決して来ない。過去の重圧を背負いながらの活動は、常に綱渡りのような緊張感を孕んでいる。