家庭用電気の引き込み方式を巡っては、過去の標準規格である「単相2線式」や、工場・店舗で用いられる「三相3線式(動力)」との混同が散見されます。それぞれの方式が持つ特性と制約を正確に把握しておく必要があります。
かつての日本の住宅で主流だった単相2線式は、電圧線1本と中性線1本の計2本で電気を引き込みます。100V専用の仕様であり、契約容量は構造上最大30A(3kVA)までに制限されます。エアコンと電子レンジ、ドライヤーを同時に使うとブレーカーが落ちてしまう古い家屋は、この単相2線式が残媒しているケースが大半です。
一方、業務用エアコンや大型エレベーター、工場のモーターなどを動かすために使われるのが三相3線式です。一般に「動力」と呼ばれ、3本の電圧線すべてが120度ずつ位相をずらした交流(三相交流)を流します。効率よく回転磁界を生み出せるためモーター駆動には最適ですが、受電には電力会社と別途「低圧電力契約」を結ぶ必要があり、一般家庭の電灯契約とは基本料金体系が完全に分かれます。一般住宅で200V家電を使う目的であれば、三相3線式を引く必要はなく、単相3線式で完全に事足ります。