読者の間で長年最大の謎として議論されてきたのが、ウォール・マリア破壊時におけるダイナ巨人の不可解な行動です。壁を蹴破った直後のベルトルト(超大型巨人)の目の前に現れながら彼を完全に無視し、まっすぐにシガンシナ区のグリシャ邸へ向かい、カルラを捕食した理由です。
この行動には、二重の理由と伏線が存在していました。
第一に、ダイナが無意識下で抱き続けていた「グリシャを探す」という強烈な残留思念です。グリシャの匂いや痕跡、彼が愛したカルラの気配を無垢の巨人としての本能で引き寄せられた結果、真っ先にあの場所へ辿り着いてしまったと考えられています。
そして第二に、最終話で明かされた進撃の巨人・始祖の巨人を手にしたエレン自身の干渉です。エレンは道を通じて過去の巨人の行動に影響を与え、「ここではベルトルトが死ぬべきではない」と判断し、ダイナ巨人をベルトルトから逸らして母カルラの方へと誘導せざるを得ませんでした。エレンが抱いた激しい復讐心と地鳴らしへの道筋は、自らが過去を確定させたことによる因果の牢獄だったという衝撃の結末が明かされています。