貸借対照表と損益計算書は、別々に作られて独立して完結するものではありません。2つの書類を結ぶ最大の架け橋となっているのが、損益計算書の最下行に現れる「当期純利益」です。
1年間の事業活動の結果として算出された当期純利益は、決算が確定するとそのまま貸借対照表の純資産の部にある「繰越利益剰余金」へと合流します。つまり、P/Lで稼ぎ出した利益が、B/Sという貯水池に新たな水として注ぎ込まれ、会社の純資産を分厚くしていくという連動の仕組みが存在します。
もし会社が当期純損失(赤字)を出した場合は、その赤字額がそのまま繰越利益剰余金を削り、純資産を減少させます。長年にわたって赤字が続くと、過去の蓄積を食いつぶし、やがて純資産がマイナスに転落する「債務超過」に陥るメカニズムも、この連動性から生じています。
数字で見る連動の具体例
資本金500万円で設立した会社が、1年目の事業で300万円の当期純利益を稼ぎ出したケースを考えます。
設立時の貸借対照表は、左側の資産(現金)が500万円、右側の純資産(資本金)が500万円で釣り合っています。1年が経過し、P/L上で売上1,000万円・費用700万円・当期純利益300万円が確定したとします。この300万円の利益はB/Sの純資産(繰越利益剰余金)に加算され、純資産合計は800万円へと増加します。同時に、利益の対価として得た現金や売掛金などの資産も左側に積み上がり、左右合計800万円で再び完全にバランスします。
財務三表を完成させる「キャッシュフロー計算書」の役割
決算書の連動を完璧に把握するためには、B/SとP/Lに「キャッシュフロー計算書(C/S)」を加えた「財務三表」の視点が欠かせません。
P/L上の利益は、売掛金のように「売上は立ったがまだ現金が入金されていない」状態でも計上されます(発生主義)。そのため、P/Lで多額の当期純利益が出ていても、手元の現金が不足して支払いが滞れば会社は倒産します。キャッシュフロー計算書は、B/SとP/Lのズレを埋め、「実際に現金がいくら増減したのか」を営業・投資・財務の3つの区分で追跡する役割を果たしています。