日本独自の予言伝承として名高いのが、聖徳太子の『未来記』による予言です。『平家物語』や『太平記』にも登場するこの古文書は、平安遷都や戦国乱世、さらには黒船来航や近代国家の没落までを予見していたと語り継がれてきました。中世の貴族や武士たちは、時代の転換期に生じる激変を説明し、自らの行動を正当化するための物語として『未来記』を利用しました。
時代が下り、ブラジルの予言者として日本のテレビ番組にも頻繁に出演したジュセリーノの予言と現在の動向を追うと、警告の手紙を各国の要人へ送付する手法で注目を集めたものの、具体的な日時の予測が外れるたびに修正が加えられてきた実態が判明しています。洋の東西を問わず、予言とは未来を正確に知る道具というよりも、時代の不安を投影する「心理的な鏡」として機能してきた歴史が読み取れます。