スマートフォンの普及とSNSの定着は、若者たちの「記憶のアーカイブ方法」を根本から塗り替えた。日常の些細な出来事から旅行、ゼミの打ち上げまで、すべてのハイライトはGoogle フォトの共有アルバムやInstagramのストーリーズにリアルタイムで蓄積されている。
クラウドサービスを利用すれば、高解像度の動画や音声、撮影日時や位置情報までが完全に紐づいた状態で保存される。検索窓に友人の名前や「学食」「ゼミ」と打ち込むだけで、人工知能が瞬時に関連写真を整理してくれる時代だ。物理的なアルバムが持つ「一覧性」の優位性は、急速に色あせつつある。
「Instagramのハイライトや鍵アカウントの投稿群こそが、自分にとって最も生々しく愛着のある卒業アルバム」という声は、現代の学生の共通認識となりつつある。他人が編集した公の記録よりも、自分と親しい仲間だけで紡いだパーソナルな記録こそが、真の価値を持つ時代へとシフトしたのだ。