世間が抱く「大学職員=勝ち組」というイメージの根拠は、首都圏や関西圏に拠点を置く名門私立大学の破格の給与水準にあります。しかし、その甘い汁を吸えるのは極めて限定的な層に過ぎず、全体の実態を正しく反映していません。
公開情報や関係者へのヒアリングによると、大手有名私大(早慶、MARCH、関関同立など)の専任職員であれば、30代で年収700万〜900万円、40代で1,000万円超に達するケースが実在します。これが「大学職員勝ち組説」の源泉です。しかし、全国約800校に及ぶ大学の大半を占める地方私立や中小私立大学では、同じ専任職員であっても30代で450万〜550万円程度に留まることが一般的です。
さらに見過ごせないのが、国立大学法人職員の評判と労働環境および大学職員の専任と契約職員の待遇格差という二重構造です。国立大学法人は国家公務員の給与体系(行政職俸給表)に準拠しており、民間大手のような破格の高給は望めません。そのうえ、現場の実情として非正規(契約職員・嘱託職員・派遣職員)がルーティンワークの大部分を支えており、同じ執務スペースで働きながら賞与や手当を含めた生涯賃金で数千万円から1億円以上の格差が生じるという、過酷な身分制度が存在しています。
このように、私立大学職員の年収と給与実態を俯瞰すると、ピラミッドの頂点に位置するごく一部の学校法人だけが高待遇を享受しており、その枠外では厳しい現実が待ち受けていることがわかります。