食べ歩きを楽しむ上で、観光客が最も戸惑うのが「ゴミの処理」です。街を歩いても、公共のゴミ箱がほとんど見当たりません。これには明確な理由があります。
過去、食べ歩き容器のポイ捨てや家庭ゴミの持ち込みが深刻化し、商店街の美観と衛生環境が脅かされた歴史があります。そのため現在の商店街では、原則として公共ゴミ箱の設置を撤廃・限定化しています。これを知らずに「どこかにゴミ箱があるだろう」と歩き回ると、油まみれの包み紙や串を持ったまま街中をさまようことになります。
現在の大須において徹底されているルールは、「購入した店舗の店頭・指定ゴミ箱で処分する」、そして「歩きながら食べるのではなく、店舗前やイートインスペースで立ち止まって食べる」というマナーです。これが現代の大須食べ歩きマナーの根幹です。
狭いアーケード内で歩きながら飲食すると、他人の衣服にソースや油が付着するトラブルに発展しかねません。名店が密集するエリアだからこそ、「その場で味わい、その場でゴミを返却し、身軽になって次の店へ向かう」のがスマートな大須の歩き方です。店舗によっては持ち帰り用の袋を有料化している場合もあるため、小さなポリ袋とウェットティッシュをバッグに忍ばせておくことが、現地取材で見出した最大のライフハックです。