現代の大相撲でも親しまれている「十両」という名称ですが、正式な番付表上の表記は「十枚目」です。ではなぜ、通称として十両と呼ばれるようになったのでしょうか。その歴史は江戸時代中期まで遡ります。
江戸時代の宝暦年間、幕内のすぐ下に位置する優秀な力士10名に対し、幕府や相撲会所から手当として金十両が支給されたことが語源とされています。当時の十両は庶民が数年間暮らせるほどの大金であり、その高額な報酬がそのまま階級の通称として定着しました。
現在でも日本相撲協会が発行する公式の番付表には「十枚目」と墨書されていますが、場内アナウンスやメディア報道では「十両」の呼称が広く浸透しています。数百年を経た現在も、高額な給与と名誉を勝ち取った選ばれし者たちの称号として、その伝統が受け継がれています。