どのような取組にも自由に懸賞金をかけられるわけではない。日本相撲協会が定めるルールにより、懸賞が出せるのは原則として「幕内力士」同士の取組に限られている。十両以下の十両力士や幕下以下の取組には、どれほど注目度が高くとも懸賞をつけることは認められていない。
さらに、1本あたりの出稿申し込みには本場所の初日から千秋楽までの指定手続きが必要であり、企業側も一定の審査を経る。横綱や大関が激突する結びの一番や、優勝の行方を左右する終盤戦の対決には申し込みが殺到し、指定の上限枠がすぐに埋まるほどの人気となる。
こうした厳しい枠組みがあるからこそ、関取たちは幕内の座を死守し、土俵中央での勝利を目指す。土俵に懸かる一筋の懸賞旗は、力士たちの誇りと執念を燃え上がらせる強力なガソリンとなっている。