歴史上、大社といえば長らく出雲大社を指していた。しかし現代の境内を見渡すと、伏見稲荷大社、諏訪大社、春日大社、熊野本宮大社など、各地に名だたる大社が存在する。この変化はなぜ起きたのか。
明治維新後、明治政府は神社を国家の宗祀と位置づけ、官幣大社や国幣大社といった「近代社格制度」を整備した。この時代、神社は厳密に階階級分けされたが、終戦とともに国家神道は解体され、社格制度も廃止される。
戦後、全国の神社を包括する民間宗教法人として神社本庁が設立された。社格制度が消滅した結果、各地の有力な神社が由緒や信仰の広がりを考慮し、神社本庁の承認を得て「大社」を名乗るようになったのだ。全国約3万社ある稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社も、戦後に大社号を正式に称した代表格である。