事件発生直後、学校側や地元教育委員会が見せた初期対応は、遺族のみならず世論の激しい怒りを買った。「いじめと自殺の因果関係は不明」と突っぱね、事実関係を小さく見せようとする隠蔽とも取れる姿勢が批判を集め、学校という組織の自浄能力に対する不信感は決定的なものとなった。連日流れる凄惨な嫌がらせの実態に、社会全体が揺れた。
この激震に応える形で、2013年には「いじめ防止対策推進法」が超党派の動きによって成立した。法律上で「いじめ」を明確に定義し、学校側に重大事態の報告義務を課す体制が整備された背景には、間違いなく大津の事件で突きつけられた痛烈な教訓があった。行政を動かしたのは、メディアの粘り強い取材と市民の怒りだった。