海外のガイドブックや旅行者の間では「Tokyo City Flea Market」の呼び名で広く知れ渡るこの場所は、単なる週末の不用品処分場ではない。1990年代以降、日本の市民型フリーマーケット運動を牽引してきた「東京リサイクル運動市民の会」が長年にわたり運営を手がけ、特別区競馬組合との協働によって国内屈指の規模を誇るオープンスペースへと育て上げた。
出店数は時に300から500ブースを超え、日用品から骨董、美術品、コレクターズアイテムまでが一堂に会する。行政主導のイベントでは決して生まれない、生活者発信の混沌とした活力。かつて高度経済成長期に大量消費された品々が、時を経て再び価値を吹き込まれ、世代や国籍を越えて手渡されていく。この場所は、東京という大都市が排出してきたモノの記憶が堆積する、生きたアーカイブなのだ。