ロサンゼルス・ドジャースのクラブハウスには、異様なまでの静けさと揺るぎない自信が同居している。前年の栄冠に浸る者は一人もいない。チームを牽引する大谷翔平は、打席に入る直前の研ぎ澄まされたルーティンを崩さず、対戦投手の配球データをミリ単位で脳裏に刻み込む。打球速度190キロを超える弾丸ライナーが右翼席へ突き刺さるたび、ドジャー・スタジアムのコンクリートスタンドは物理的に揺れる。
マウンドで静かに闘志を燃やす山本由伸の存在感も際立つ。打者の手元で鋭く落ちるスプリットと、針の穴を通す制球力。相手チームのスカウト陣が「初見で攻略するのは不可能に近い」と匙を投げるほどの圧倒的な投球術は、先発ローテーションの確固たる柱となった。投打の軸に君臨する二人の日本人が、名門球団の歴史を凄まじいスピードで塗り替えている。