ドジャースが得た最大の恩恵は、競争均衡税(ぜいたく税)の課税対象額を大幅に圧縮できた点にある。7000万ドルの年俸をそのまま計上すれば、チームの補強資金は完全に枯渇していた。しかし、後払い契約の現在価値換算により、ぜいたく税上の計算額は年約4600万ドルへと引き下げられた。
浮いた年間約2400万ドル分の枠を活用し、チームは山本由伸をはじめとする超大型補強を次々と連鎖させた。2026年シーズンを迎えた今もなお、ドジャースが圧倒的な戦力を維持しながらペイロールの柔軟性を担保できているのは、このぜいたく税回避スキームが時計の歯車のように精緻に機能しているからにほかならない。