P2計画が凶悪な事件へと発展した直接の引き金は、横浜港に入港した大型クルーズ船「プレミアム・パナケイア号」で発生した感染事故でした。船内で未知の変異ウイルスが発生し、乗客・乗員に感染が拡大。その際、知事や病院関係者が下した冷酷な決断が悲劇の幕開けとなります。
長門知事らがウイルスの存在を隠蔽した理由は、国内外へのパニック防止と政治的・経済的打撃の回避でした。感染爆発の事実が公になれば、神奈川県の観光や経済は壊滅的な打撃を受け、自らの政治生命も終わる――そう判断した権力者たちは、感染した民間人を見殺しにする道を選びます。
船内で亡くなった感染者の遺体は極秘裏に運び出され、身元不明の変死体や事故死として処理されました。さらに、まだ息のあった感染者を界星堂病院に運び込み、ワクチン開発のための「実験体」として利用。この残酷な隠蔽工作により、愛する家族を理不尽に奪われた遺族たちが、後に「鬼」となって結集することになりました。