展示されている膨大な文化財のバックボーンを語る上で欠かせないのが、清王朝の最盛期を築いた乾隆帝の存在だ。類稀なる芸術のパトロンであり、自らも熱狂的な収集家であった彼の美意識が、収蔵品の質を圧倒的な高みへと押し上げた。
数多の玉器、繊細を極めた青磁、そして皇帝自らが書を書き加えた古代の書画。これら数千年に及ぶ中国歴史の結晶は、皇帝たちの権威の象徴であると同時に、東洋美術が到達した最高峰の金字塔でもある。手元に置かれた一つの微細な鼻煙壺(びえんこ)にすら、宇宙的な広がりと職人の意地が込められている。