近年の連続テレビ小説における主役抜擢には、大きく分けてふたつのルートが存在する。従来の公募型オーディションを通じて彗星のごとく現れるルートと、実績のある実力派俳優に直接白羽の矢が立つルートだ。この二律背反に見えるふたつの手法は、制作側が作品の狙いや時代背景に応じて緻密に使い分けている。
若手女優にとって夢の舞台であることには変わりないが、企画の初期段階で「今回は公募かオファーか」という方針が固められる。芸能事務所側もその動向を注視しており、オーディションが開催されるとなれば、エース級のタレントから隠し玉までを一斉に投入する。作品のテーマ性やヒロインの年齢設定によって、求められる人材の質がドラスティックに変化するのだ。