グリーン ブレイズを象徴する最大の識別点が、フロントボンネットやボディラインに刻まれた「グラインダーペイント」だ。この加工は印刷でもデカールでもない。熟練の職人が特殊なグラインダー(研削工具)を手手に持ち、金属素地に直接模様を彫り込んでいく圧巻の手作業である。
光の当たる角度によって、漆黒の塗装の下から鮮やかな「緑の炎」が浮き上がる。太陽光の下では荒々しくギラつき、夜の街灯の下では妖しく深く輝く。手作業だからこそ、二つとして同じ模様は存在しない。大量生産の時代にあって、完全な一点モノとしての価値をオーナーに提供している。
研磨された下地の上には、透明感のあるクリアグリーンペイントが重ね塗りされる。研磨の深さ、ラインの角度、塗膜の厚み。どれか一つでも狂えば、イメージ通りの立体感は生まれない。自動車工芸品と呼ぶにふさわしい手間が、この一基のボンネットに投入されている。